「ガバナンストークンって危なくないの?」
「ガバナンストークンに興味があるけどよく分からない」
「ガバナンストークンはどこで取引できるの?」
この記事を読んでいるあなたは、上記のように考えているのではないでしょうか。
そこで、この記事では「ガバナンストークンの概要やメリット・デメリット、ガバナンストークンを取引できる国内取引所」などを解説していきます。
一言で述べると、ガバナンストークンとは、分散型組織における意思決定への参加権を証明するためにブロックチェーン上で発行されるトークンのことです。
本文では、ガバナンストークンについてさらに噛み砕いて解説していくため、ガバナンストークンに興味がある人はぜひこの記事を読んでみてください。
この記事を読んで分かること |
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ガバナンストークンとは
ガバナンストークンとは、DAOやDAppsなどをはじめとした分散型プロジェクトにおける意思決定に参画するための権利を保有者に付与するトークンのことです。
DAO・DAppsとは |
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DAOとは、Decentralized Autonomous Organization(分散型自律組織)の略語で、中央の管理者が存在しなくても、コミュニティ全体で事業やプロジェクトを実行できる組織のことを指します。
代表的な例として、仮想通貨のBTC(ビットコイン)が挙げられます。 またDAppsとは、Decentralized Applications(分散型アプリケーション)の略語で、分散型アプリケーションのことを指します。 両者ともに、ブロックチェーン技術を活用することで非中央集権的な組織運営、アプリ開発をすることが可能となっています。 |
分散型プロジェクトでは、従来のピラミッド構造型組織のように組織上部の人間が意思決定を行うのではなく、プロジェクトの参加者による投票で意思決定を行います。
この際、プロジェクトへ参加する権利を保証してくれるのが、ガバナンストークンです。
各プロジェクトで発行されるガバナンストークンを保有することで、保有者は当該プロジェクトへの参加することができるようになります。
ガバナンストークンのメリット
ガバナンストークンのメリットは、主に以下の通りです。
- 保有することでプロジェクトの意思決定に参加できる
- 保有することで様々な恩恵を受けられる
- 取引を通じたキャピタルゲインを得ることができる
それぞれ詳しく解説していきます。
保有することでプロジェクトの意思決定に参加できる
前述した通り、ガバナンストークンの保有者は該当プロジェクトにおける意思決定への参加権を得ることができます。
この仕組みでは、ガバナンストークンの保有者とプロジェクトの実行者が一致するため、双方の利益を一致させやすくなります。
さらに、一般的に1単位のトークンは投票の際の1票に相当するため、該当トークンをより多く保有すれば、プロジェクトに自分の意思を反映させやすいという特徴もあります。
保有することで様々な恩恵を受けられる
ガバナンストークンの中には、保有することでプロジェクトへの参加権以外にも様々な恩恵を受けることができるものもあります。
受けられる恩恵の例として、サービス利用時の手数料割引や、保有期間に応じたインセンティブの付与などが挙げられます。
イメージとしては、株式保有に対する優待や配当のようなものと考えると理解しやすいでしょう。
保有者にとってメリットとなるだけでなく、発行者にとってもガバナンストークンの長期保有を促せるというメリットになります。
取引を通じたキャピタルゲインを得ることができる
ガバナンストークンを売買することで、他の金融資産と同様にキャピタルゲインを得ることができます。
多くのガバナンストークンは仮想通貨などと共に市場に流通しており、仮想通貨取引所で取引をすることができます。
さらに、ガバナンストークンの価値は、背後にあるプロジェクトの収益性や受けられる特典の魅力によって日々変動しているため、価値が低い際に購入したガバナンストークンを値上がり後に売却することでキャピタルゲインを得ることも可能です。
ガバナンストークンのデメリット
ガバナンストークンのデメリットは、主に以下の通りです。
- 価格が不安定になる傾向がある
- 意思決定に時間を要する
- 権力の集中が発生するリスクがある
それぞれ詳しく解説していきます。
価格が不安定になる傾向がある
ガバナンストークンの中にはロックアップを行っているものもあり、ロックアップ解除に伴う価格暴落のリスクがあります。
ロックアップとは |
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ロックアップとは、保有する大量の通貨やトークンを市場へ放出する前段階に、一定期間凍結することを指します。 |
ガバナンストークンに限った話ではありませんが、一定期間を経てロックアップが解除されると、市場への通貨やトークンの流通量が増加し、相対的に1単位の価値が低下します。
また、投資家らのロックアップに対する警戒心そのものが通貨やトークンの価値低下に繋がる可能性も存在します。
そのため、ガバナンストークンを購入する際には、トークンがロックアップをしているのか、また今後ロックアップを行う計画があるのかを確認しておく必要があります。
意思決定に時間を要する
ガバナンストークンを購入すれば、プロジェクトの意思決定に参加することができますが、そもそも意思決定に時間がかかってしまう可能性があります。
ガバナンストークンの保有者であれば他の条件は問わないという参加ハードルの低さ故に、分散型組織の意思決定では参加する人も多くなる傾向があります。
そのため、全員の利益の一致が難しい場合などには、トップダウン式のプロジェクトと比較すると意思決定に多くの時間がかかってしまうこともあります。
ただし、ガバナンストークンの歴史はまだ浅いため、今後より効率的かつ公正な意思決定方法が編み出される可能性もあります。
権力の集中が発生するリスクがある
機関投資家などの大口投資家が大量のガバナンストークンを保有することで、権力の集中が発生してしまう可能性があります。
これは、ガバナンストークンの保有によってプロジェクトの意思決定に参加できるというメリットの裏返しでもありますが、一部の大口投資家がガバナンストークンの大部分を保有してしまうと、結局大口投資家に権力が集中してしまい、分散型の組織である意味をなさなくなってしまいます。
権力の適切な分散化は、今後ガバナンストークンが普及するためにも対策が必須の事案であり、多くのガバナンストークンで大きな課題となっています。
ガバナンストークンの具体例
ガバナンストークンの具体例として、以下の3つのトークンを紹介します。
- MKRトークン(MKR)
- アクシーインフィニティ(AXS)
- ツバサガバナンストークン(TSUGT)
それぞれ詳しく解説していきます。
メイカー(MKR)
出典:https://makerdao.com/ja/
メイカー(MKR)は、MakerDAOで使用されているガバナンストークンです。
MakerDAOとは、仮想通貨「DAI(ダイ)」の発行・管理を行うプロジェクトであり、同時にそのプロジェクトを実行する組織の組織名でもあります。
組織としてのMakerDAOは、仮想通貨「DAI」を発行するレンディングプラットフォームの「Oasis.app」を運営しており、メイカーを保有することで、MakerDAOでの意思決定やOasis.appの運営に関する意思決定に参加することができます。
名称 | メイカー |
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通貨単位 | MKR |
1単位あたりの価格 | 約58万円 |
取り扱う国内取引所 |
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アクシーインフィニティ(AXS)
出典:https://axieinfinity.com/
アクシーインフィニティ(AXS)は、いわゆる”Play to Earn”ゲームの草分け的存在である「Axie Infinity」内で使用されるガバナンストークンです。
そもそもゲームとしての「Axie Infinity」はゲーム内で他のプレイヤーに勝利したり、イベントごとのランキングで上位に入ったりすることで、ゲーム内基軸通貨であるAXSを稼ぐことができるブロックチェーンゲームです。
そして、ゲーム内基軸通貨のAXSは国内仮想通貨取引所で取引されているため、日本円と交換することができます。
名称 | アクシーインフィニティ |
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通貨単位 | AXS |
1単位あたりの価格 | 約1,600円 |
取り扱う国内取引所 |
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ツバサガバナンストークン(TSUGT)
出典:https://tsubasa-rivals.com/ja/
ツバサガバナンストークン(TSUGT)とは、人気サッカー漫画「キャプテン翼」から派生した人気ブロックチェーンゲーム「キャプテン翼-RIVALS-」内で使用されるガバナンストークンです。
以前は、日本国内にTSUGTを取り扱う仮想通貨取引所がなかったため日本円への換金には手間がかかっていましたが、2023年11月よりBITPOINTで取り扱いが開始され、日本円へ簡単に換金できるようになりました。
名称 | ツバサガバナンストークン |
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通貨単位 | TSUGT |
1単位あたりの価格 | 約5円 |
取り扱う国内取引所 |
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ガバナンストークンへの投資におすすめの仮想通貨取引所
ガバナンストークンへの投資におすすめの主な仮想通貨取引所を以下の表にまとめました。
仮想通貨取引所 | 取引できるガバナンストークン | 公式サイト |
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Coincheck公式サイト | |
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GMOコイン公式サイト | |
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bitFlyer公式サイト |
それぞれ詳しく解説していきます。
Coincheck
出典:https://coincheck.com/ja/
Coincheckは、2019年〜2023年集計で取引アプリのダウンロード数国内No.1を獲得するなど、取引アプリの使いやすさで人気を博している仮想通貨取引所です。
また、Coincheckの運営会社はマネックスグループに属しており、セキュリティやサービスの面での信頼も厚いものとなっています。
ガバナンストークン2種類を含む、29種類の通貨を取り扱っており、ガバナンストークンに興味がある仮想通貨初心者におすすめの国内仮想通貨取引所です。
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名称 | Coincheck(コインチェック) |
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取引の種類 | 現物取引(販売所・取引所) ※MKR、AXSを取引できるのは販売所のみ |
取扱銘柄数 | 29種類 |
取引できるガバナンストークン |
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運営会社 | コインチェック株式会社 |
公式サイト | Coincheck公式サイト |
GMOコイン
出典:https://coin.z.com/jp/
GMOコインは、大手ITグループであるGMOインターネットグループの傘下にある、GMOコイン株式会社が運営する仮想通貨取引所です。
GMOインターネットグループ内に蓄積された、金融サービスに関する豊富なノウハウやセキュリティ体制が反映されており、国内でも高い人気を誇っています。
GMOコインでは、他の国内仮想通貨取引所とは異なり、取引所でMKRを取引することができます。
販売所よりも取引コストを抑えられる取引所のメリットを活かしてMKRを取引したい人には、GMOコインがおすすめです。
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※公式サイトに遷移します。
名称 | GMOコイン |
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取引の種類 |
※MKRはレバレッジ取引では取り扱いなし |
取扱銘柄数 | 26種類 |
取引できるガバナンストークン |
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運営会社 | GMOコイン株式会社 |
公式サイト | GMOコイン公式サイト |
bitFlyer
出典:https://bitflyer.com/ja-jp
bitFlyerは、国内トップレベルの人気を誇る仮想通貨取引所であり、BTCの取引高では2016年から2021年まで6年連続で国内No.1でした。
bitFlyerは取扱通貨数が豊富であり、ガバナンストークン3種類を含む32種類もの通貨を取り扱うことができます。
また、業界最長となる7年以上ハッキング0を実現しており、高い安全性を確立していることも大きな特徴の1つです。
より多くのガバナンストークンを取引できる国内仮想通貨取引所を探している人には、bitFlyerがおすすめです。
名称 | bitFlyer(ビットフライヤー) |
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取引の種類 |
※MKR、AXS、APEが取引できるのは現物取引のみ |
取扱銘柄数 | 32種類 |
取引できるガバナンストークン |
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運営会社 | 株式会社 bitFlyer |
公式サイト | bitFlyer公式サイト |
ガバナンストークンの入手方法
ガバナンストークンを入手するには、以下の2つの方法があります。
- 仮想通貨取引所で購入する
- IEOやIDOに参加する
それぞれ詳しく解説していきます。
仮想通貨取引所で購入する
ガバナンストークンは、仮想通貨取引所で購入することができます。
ただし、国内仮想通貨取引所は取り扱うガバナンストークンの数が非常に少ないのが現状です。
取引したいガバナンストークンが国内で取り扱われていない場合は、国内仮想通貨取引所で何らかの仮想通貨を購入し、その仮想通貨を使ってDEXでガバナンストークンを購入しましょう。
なお、この記事で紹介した3つの国内仮想通貨取引所では、少ないながらもガバナンストークンを扱っています。
DEXとは |
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DEXとは、Decentralized Exchange(分散型取引所)の略語で、ブロックチェーン技術の活用により管理者不在での仮想通貨の取引を可能にした取引所のことを指します。 |
海外仮想通貨取引所やDEXは日本の金融庁からの登録を受けていないため、日本の投資家保護制度を利用することができません。
万が一トラブルに巻き込まれた際には、自分で対処しなければならないため、利用する際には細心の注意を払いましょう。
IEOやIDOに参加する
IEOやIDOへ参加することで、ガバナンストークンを入手することができます。
IEO(Initial Exchange Offering)は、仮想通貨取引所で行われる新規発行通貨の先行販売、IDO(Initial DEX Offering)は、DEXで行われる先行販売のことを指します。
ガバナンストークンは仮想通貨同様にIEOやIDOで先行販売されるケースもあるため、ガバナンストークンの購入を考えている場合はぜひ参加することをおすすめします。
なお、IEOやIDOの対象銘柄は「CoinMarketCap」などのサイトで確認することができるため、気になるガバナンストークンがある場合は参考にしてください。
ガバナンストークンに関するよくある質問【Q&A】
ガバナンストークンに関するよくある質問には、以下のようなものがあります。
- ガバナンストークンと株式との違いは?
- ガバナンストークンと仮想通貨との違いは?
- ガバナンストークンとユーティリティトークンとの違いは?
- ガバナンストークンの価値はどのように決まる?
それぞれ詳しく解説していきます。
ガバナンストークンと株式との違いは?
結論から述べると、両者の違いは保有により与えられる権利と法的な地位にあります。
株式は、保有することで企業の所有権や利益配当請求権を認められる法的な証券です。
一方で、ガバナンストークンは、分散型プロジェクトへの参加権や意思決定権を認められるデジタルトークンであり、法的な所有権や利益配当請求権は認められません。
また、株式は基本的に証券取引所で取引され、ガバナンストークンは基本的に仮想通貨取引所で取引されるという違いもあります。
しかし、ガバナンストークンへの理解を深める第一歩として、株式に似たようなものとして理解することは可能でしょう。
ガバナンストークンと仮想通貨との違いは?
結論から述べると、ガバナンストークンをはじめとしたトークンと仮想通貨では、価値基盤や主な使用用途が異なります。
トークンと仮想通貨の違いを以下の表にまとめました。
相違点 | トークン | 仮想通貨 |
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価値基盤 | 背後にあるプロジェクトや、保有することによって得られる権利 | 当該通貨自体の信頼 |
主な使用用途 | 当該プロジェクト内での資産や投票権の証明から特定のネットワークへのアクセス権など | 通貨としての利用(送金や決済、価値の保存など) |
仮想通貨は、取引の媒体や会計単位として汎用的に機能する一方で、トークンはある特定のプロジェクトやプラットフォーム内でのみ使用される資産であるという違いがあります。
ガバナンストークンとユーティリティトークンとの違いは?
結論から述べると、ガバナンストークンとは、ユーティリティトークンの一種です。
そもそもユーティリティトークンとは、”Utility”という言葉の意味通り、何らかの「実用性」を保証したトークンのことを指します。
そして、ガバナンストークンとは、”Governance”という言葉の意味通り、「統治・管理」という権利(一種の実用性)に特化したトークンのことを指します。
すなわち、ガバナンストークンはユーティリティトークンに包含されていると理解することができます。
ガバナンストークンの価値はどのように決まる?
ガバナンストークンの価値を決める基準は、ガバナンストークンの背後にある分散型組織やプロジェクトの人気です。
前述した通り、ガバナンストークンは分散型組織やプロジェクトへの参加権を保有者に付与するトークンです。
そのため、背後にある組織やプロジェクトが成功したり、人気になったりすれば、仮想通貨取引所で当該ガバナンストークンに対する需要が増加し、ガバナンストークンの価値も上昇します。
ガバナンストークンを購入する際には、背後の分散型組織やプロジェクトがどのようなことを行っているのか確認するようにしましょう。
ガバナンストークンのメリット・デメリットや投資方法まとめ
この記事では、「ガバナンストークンの特徴やメリット・デメリット、ガバナンストークンを取引できる国内取引所」などを解説してきました。
ガバナンストークンとは、保有することである特定の分散型組織における意思決定に参加できるようになるトークンであることが分かりました。
国内で取り扱われているガバナンストークンはまだまだ少ないですが、この記事では国内で取引できるガバナンストークンについてもまとめたため、興味がある人はまずは口座開設を行なってみてはいかがでしょうか。